ヒゲにあこがれて

見たもの、聞いたの、読んだもの、をまとめたり

パンクな友人-「髭 / すげーすげー」

僕にパンクロックを教えてくれた友人がいる。

 

多分中学生の時、色んな音楽を教えてもらった。

めちゃくちゃ好きなジャンルな訳じゃないけど、

自分の中に、絶対自分では引っかからなかったアンテナが立った時のあの高揚感は何とも言いがたい。

 

自分の理解出来ないもの、知らないものを

理解出来ないまんま、知らないまんまにするんじゃなくて、

分からなくても歩みよる、知ろうとする姿勢みたいなのは凄く大事な気がする。

 

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Artist: 髭

Title: すげーすげー

 

その友人が好きだったのが髭だった。

サンシャイン以降、なんか違うなって思って聞いてなかったのだけど、

このアルバムは、ほんとすげーすげー。

 

僕の好きな髭がパワーアップして帰ってきた感じ。

 

自分とは違う周囲をリスペクトして、

自分の不甲斐なさと向き合いつつ、

何かを生み出そうともがいてる感じ。

 

それを超ロマンティクな詩の世界で表現してる感じ。

髭はほんとに、すげーすげー。

本物に囲まれて-『吉田ヨウヘイgroup/paradise lost, it begins』

本物に囲まれて過ごしたい。

本当にそう思ってるかは別として

たまにそんなことを思う。

 

例えば、

個人の作家さんが作った器でご飯を食べて、

丁寧に作り込まれた服を着て、

たまの休みには自家焙煎のコーヒーを飲む

というブルータスから引っ張り出してきたような生活。

 

でも実際はそう出来る状況でも

ダイソーで食器は買うし、

服ならユニクロのセールで買うし、

だいたい飲むのはインスタントコーヒーでたまの贅沢はコンビニのコーヒーをLサイズにするくらい。

ブルータスだって、コンビニでATM待ちをしてる時にパラパラとめくるだけ。

 

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Artist: 吉田ヨウヘイgroup

Title: paradise lost, it begins

 

「今まで聴いた音楽や、無理して読み終えた本や難しい映画も、ただ僕が知りたいことは1つだけ。君に近づいているかっていうことだけ。」

 

どうにもこうにも生活するって難しい。

 

このバンドもこのアルバムを出して以来、無期限の活動休止に入った。

最近、また活動を再開してアルバムを作ってるみたいなのですごく楽しみ。

 

難しくてもやりようはあるのかもな、

と思わせてくれるアルバム。

みんなの好きなものが好き-『働く男/星野源』

好きな女優は?って聞かれて本当は

新垣結衣!」

って答えたいけど、なんか斜に構えて

「あの、、知ってるか分かんないですけど、、シンゴジラに出てた、、あっ!そうです!その役の人!」

みたいに答えちゃう自分が僕の中にはいたりします。

 

人が知らないことを知ってる自分、普通とは違うんだぞ!と言える自分、みたいなのを誇示したいのかもしれません。

なんか、文字にするとより一層情けないですね。

 

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作者:星野源

Title:働く男

 

 数年前まで、星野源が好きなんです〜と言うことは自分は周りのまだ気づいてない良さに気づいている

ということを示すのにちょうど良かった。

もちろん星野源さんの歌も、サケロックも最高に好きだし、言ってたことに嘘偽りはない。

 

でも今は星野源めちゃくちゃ好きなんです。

ってなんか言いにくい。

星野源の本に感動した!

なんてもっと言いにくい。

 

トマスピンチョンとか読んで、小難しい感想をネットの海に放り投げたい!(ほとんど面白さが分からず、読んでる途中で本を投げ捨てた)

 

星野源さんの働く男は星野源の色んな仕事についてまとめたものです。ほんと働きすぎだろって感じ。

実はこのブログの形式は、働く男の中にある星野源さんのコラムを参考にしてる。

 

本を読んで 、

皆が好きになってきたから好きじゃなくなるとか、好きと言いにくくなるとかは、

自分に対して不誠実だと、思った。

 

自分のアンテナに引っかかったものを周りと比較して、さも引っかかってなかったように振る舞うのは自分に嘘をついてるということのような気がする。

そんな事を続けているといつか自分のアンテナはボロボロに錆びついてしまうんじゃないかな。

あれ、自分って何が好きだったんだっけ的な。

 

僕は邪な人間だから、人から良く思われたいってすぐに思うけど、自分に不誠実にならないように、仕事にも趣味にも取り組まなきゃな。

その姿勢が誰かに届くようになれば、もっと嬉しいな。と思ったりする。

 

誰かに届いてほしいなんて思ってる時点ですでに邪なのかもしれないけど。

嫉妬のその先-『柴田聡子-愛の休日』

いい文章やいい音楽、感動的な展示を見たり聞いたりすると、とても幸せな気持ちになる。

すごいなぁ〜と思うと同時に、その後ろにある凄まじい創作の日々を想像すると涙が出そうになる。

 

その気持ちから少し遅れて、悔しさや自暴自棄な気持ちがやってくる。

こんなにいいものがあるんだから、自分がやる必要なんてない。

そもそも自分にはこんなもの作れない。

こういうのは見る側だからいいんであって、創る側になるのには才能がいる。オレにはそんなのない。

こんな感じで「ないない地獄」がやってくる。

 

この話を知り合いにしたら

そもそも、自分がやるとか思ってる時点で頭おかしいんじゃないの」

と言われた。確かに。真理だ。

 

それでも普通の人がない才能を尽くして

何かを創るってことは無理なことなのかなと

頭がおかしいから今でも思ったりします。

 

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Artist:柴田聡子

Title:愛の休日

 

こんな才能の塊ぃーーー!!参加メンバーもくるりの岸田さん筆頭に豪華すぎぃーー!!才能の掛け算かよーー!!!ってまたしても自暴自棄。

柴田さん自身もきっとあり得ないくらい悩んで、壊して、創ってってことを繰り返して出来たアルバムだろうなぁ。

こんな素敵なアルバムを聞いても他人の才能を妬んでる自分の浅はかさに嫌気がさす。。

あぁ〜もう色々諦めてしまおう!

 

でもこの愛の休日というアルバムはその先の気持ちに自分を連れて行ってくれる。気がする。

やっぱり自分もいっぱい考えて、いっぱい悩んで、自分にこだわらなきゃなと思わせてくれるわけです。

「わたしはわたし。あなたはあなた。」

ロックの魔法にかけられて1996-『Eels/Beautiful Freak』

入れ墨の入ったにーちゃんと呼ぶには少し年齢を重ねすぎてる人たちの会話を聞いた。

「俺たちは年取るのやめたからなー!やっぱりさぁ、The Doorsがさぁー、ビートルズがさぁー」

きっとロックンロールの魔法にかかったまんまなんだろう。

 

ビートルズThe Doorsも最高。間違いない。

ただ、聞いてる音楽が変わらないことと年を取らないことは違う気がする。

そのにーちゃんと呼ぶには歳を取りすぎた人が

「最近、ケンドリックにハマってさー」

なんて言ってたら、マジで年取らねぇ人だな、って思う気がする。

 

ロックは、こうはなりたくないなって年の取り方をしてる。

そんな気がしてならない今日この頃です。

 

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Artist: Eels

Title: Beautiful Freak

 

これはEelsというアメリカのインディーバンドのアルバムで1996年発売です。

さっきの古い音楽は、、とかの話はどこにやら。

上質なんだけど、どこか捻くれてる。

そんな雰囲気の曲たちで構成されてます。

 

いい人なんだけど、きっといい人なだけじゃない

みたいな人って、近寄りがたいけど魅力的に見えたりしません?

そんな人を面白いと思う自分が捻くれてるのでしょうか。

 

超美メロなのにアルバムの出だしが

Life is hard and so am I

なんて、めちゃくちゃ洒落てる。

生きるのむずいよな、なんてことを友達と話してたのを思い出したりした。

ついてない日-『WAVES/ Yogee New Waves』

どうにもついてないという日がある。

 

別に嫌な事があるわけじゃないけど、

急な雨に降られたり、お気に入りのスニーカーが汚れたり、行こうと思ってた定食屋さんが満席だったり。

小さなイライラが溜まると、どうしようもない気持ちになる。

 

簡単に「くそったれ」とぼそっと言ってしまうし、

心の中ではあぁー死にてぇーオレに価値なんてねぇー的な事を安易に思ったりする。

本当に小さい安直な人間だ。

 

こんな日には好きだった音楽も雑音に、

読みたかった本もただの活字の塊になる。

 

「音楽は、それが無くても生きていける人のためにある。NO MUSIC NO LIFE なんてクソだ」という事を言ってたのは誰だっけ。

 

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 Artist: Yogee New Waves

Title: Waves

 

こんな日でも聞きたくなる音楽もあったりする。

ヨギーの曲はそんな力があるように思う。

「僕が悲しませないぞ」なんて、

僕は恥ずかしくてとても言えない。

言う勇気も覚悟もない。

 

「世界は誰にも渡せないって言ったヒーローは逃げたろ」

逃げるのはいつも自分かも知れない。

まだまだ渡せない。

逃げるにはまだ若すぎる。

 

そんな事を思いながら飲んだ

黒ラベルは全然美味しくなかった。

土曜のさぼうるは無理-『A BAND CALLED FLASH/A BAND CALLED FLASH』

休みの日くらいは自分の好きなことだけしたいと思っている。

 

買ったきり、机の上に積んだまんまの本を読むために喫茶店に行ったり、ちょっと足を伸ばして劇場で映画を観たり、気になる音楽イベントに足を運んだり。

そうは思っているものの、結局はどこにも行かず、ツイッターを眺めて、アマゾンプライムで映画を観て、Apple Musicで音楽を聞く。

そんな人間です自分は。

 

ただ、やっぱり生で体験するって事は重要で、最近はめんどくさがらずに新しいシャツを着て、知らない所へ行こうとは思ってる。

そんなことで、神保町のさぼうるに行こうと思ったのだが、行列を見てすぐに心がポキンと折れる音がした。

 

そんな自分は先週も行ったお店、神田ぶらじるに向かったのであった。新しいシャツを着てなんて気持ちはどこへやら。

 

で、そんな帰り道にディスクユニオンで買ったCDがこれである。

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Artist/ A BAND CALLED FLASH

Title/ A BAND CALLED FLASH

 

最近CDを買うことが減った。Apple Musicでこと足りてるし、場所も取るし。

何も知らないアーティストのCDなんてほとんど買わなくなった。

高校生の頃はジャケ買いなるものをよくしていたが、どんどんリスクを取るようなことをしなくなった。

ジャケ買いして、自分の知らない音楽を知れた時のあのスーパーラッキーだ!!オレは!!という気持ちはたまらない。

 

このCDは久々にそんな気持ちにさせてくれた1枚。

このアーティストの事は何も知らなかったし、どんな音楽かも分からなかった。

でも封を開けて、CDをセットして、再生ボタンを押す。

そこからの数十分、久しぶりに僕はスーパーラッキーボーイになれた気がした。